スキップしてメイン コンテンツに移動

注目

デドラ・ミーロはファーストオーダーを夢見ていた

⚪︎帝国内部での不満 ISBの監査官デドラミーロは、反乱分子の脅威アクシスを早い段階に見抜き警告していた。散発的に見られる反乱活動が実は組織的に統制されていたのだ。 中央集権的にゆっくり考え、脅威が実際に見えてから大胆に対処する帝国には、早い段階から分かっていなかった。中央集権の弊害である。 ISB内部においても、出世欲の為に保身に走る人材が多かった。純粋に帝国の為に考え行動しない。体制維持に貢献する事が素晴らしいと見なされ、熾烈な派閥争いと権力闘争を繰り広げ疲弊していたのである。 ⚪︎ユラーレンは分からない 反乱分子の脅威を強く警告していたにも関わらず、上層部には届かない。実際に目に見える分かりやすい脅威でないので、軽視されるのだ。早い段階で反乱分子を叩ければ、後の帝国は安泰だった筈だが、適切に対処できていなかった。これが当時の帝国である。 ⚪︎スローンは理解者 デドラミーロが正しかった事は後の帝国が証明するが、戦時下で構築された帝国の仕組みでは無理であった。後に皇帝は悔しがっている。 一番分かっていたのはスローンだろう。提督の立場で帝国の欠陥を指摘したかったが、体制維持に反する意見は言えないのである。デドラミーロ同様、帝国に対して不満を持っていた。スローンが考案していた先進的な帝国について、デドラミーロが共感する事は多かった筈だ。デドラミーロのレポートをスローンが読むべきだ。 ⚪︎イエスマンではない デドラミーロは皇帝の周囲を固めるモフたちを裏で軽蔑していた。ターキンが代表格である。スターダスト計画が徐々に表面化する訳だが、スコープに捉えるべきは大きな惑星でなく、反乱分子の工作員キャシアン・アンドーとアクシスである。 大き過ぎる大砲で惑星を丸ごと破壊するのではなく、ピンポイントで素早く低コストで始末した方が有益だった筈だ。キャシアンアンドーを始末できていれば、後に帝国が反乱に悩ませられる事はなかっただろう。勿体ない。 結局、スローンがファーストオーダー計画に着手するのは、皇帝の死後である。遅過ぎる。デドラミーロの警告から大分経つ。 帝国は皇帝とヴェイダー卿、デススター(二隻)、ターキンを失っても、反乱を止める事は出来なかった。 新共和国は敗北した帝国を裁く訳だが、帝国内部で早い段階から警告していたデドラミーロに驚く。帝国の欠陥を見事に表していた。にも関わらず軽視

現代史との類似点。

ルーカス監督は新三部作を構想するにあたり、神話や歴史、哲学を研究して引用、参考にしていたようです。その成果が巨大な民主主義国家が独裁者の陰謀で帝国主義化するクローン戦争です。新三部作を観た私はエンターテイメントとしてストーリーを理解するだけではなく、人類史を検証するヒントにもなると思えてきました。
クローンの攻撃が公開された当時、米国はイラク戦争に強靭な姿勢でした。
クローン戦争の小説は大国対大国の構図として様々な作家によって描かれます。
米政府が対イラク高揚の道具として出版させる思惑があったからです。クローン戦争がイラク戦争と類似点があることに批判もあったようですが、権力に民衆が飲み込まれていく社会原理はいつの時代でも起こりえることだと、学者は主張しています。例えば米国は独立戦争後、ワシントンに独裁体制を敷くことを
進言しましたが、ワシントンは断ったそうです。
「私が王位を狙って戦争を起こしたと思うのか?」
日本でそのような主張はありませんが、SFとして公開された映画が社会構図についての議論に発展することは大変興味深いです。全年齢を対象として創られた作品がです。盾前はエンターテイメント作品ですから問題ありません。

さて、ではスターウォーズの筋書きとほぼ同じことが、人類史でもあるか、色々考えました。
例えば、第二次大戦でルーズベルトとヒトラーの間で密約があったとかです。
シスの暗黒卿のようにたった二人のみで戦況をコントロールする。正確な機密情報が両国で筒抜けになり、その上で長期化すれば軍事大国が出来上がる。というシナリオです。
残念ながら、これは時系列に成立せず断念しました。
しかし、ルーカス監督が第二次大戦に多くのヒントを見出したのは実証できたと思います。

後で「アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか」という本を見つけました。
ナチズムを国家の脅威にするためにヒトラーを独裁者に仕立て上げた経緯が書かれています。仮想の脅威で合法的に全権力を掌握するパルパティーンのような狡猾さがヒトラーに共通しています。非常時大権=全権委任法です。




ナチス・ドイツという強烈なファシズム国家はアメリカのエリート層の支援なくしては誕生しなかった―1920年代以降、アメリカ外交戦略は「共産主義に対抗するために独裁者を援助し、育てる」という明確なパターンを繰り返してきた。その最初にして最悪の例がヒトラーのナチスだった。戦後は反共工作のために、独裁者、麻薬王、イスラム過激派と手を組み「冷戦」を演出してきた。そしてアメリカは自らが育てた独裁者と対峙することになる―。世界を牛耳るアメリカの政治・経済・諜報エリートの暗躍を描く真実の米外交裏面史。(amazonより)

まだ私は読んでませんが、大変興味深いです。

人気の投稿