皇帝の人事ゲーム。

クローン戦争により、共和国内部で中央集権の大規模な改革が行われました。

早期に確実に戦勝に導く為、あらゆる手段で ”戦いやすく迅速な決議のできる国家” につくりかえられます。それは憲法改正も含む内容でした。共和国市民とクローン兵の犠牲を最小限に抑えるために、一時的な修正という約束に安心した議会は、民主主義の衰退は戦時下において合法とする結論を下します。そこで提唱されたのが最小限の軍事行動で最大限の成果を得られる画期的なドクトリンです。ターキンドクトリンです。

それは実に斬新で優れていたので、ジェダイ評議会でさえも舌を巻いたようです。パルパティーンに賞賛されたターキンは(後のモフになる)軍事顧問員に選ばれます。その調整役をアナキンスカイウォーカーが担っていました。可能な限り軍事活動からジェダイが撤退する点で意見が一致しており、パルパティーンとターキンを中心に軍事活動の指揮系統は発展していきます。そのほとんどは人間でした。これをスカイウォーカーから聞いたジェダイ評議会は不満を漏らしますが、戦況が思ったより不利になった事、長期化、泥沼化を招いてしまった現実に、ターキンドクトリンの重要さを認めるようになります。

共和国民が選挙を通して議員を選出する反面、軍事顧問員はパルパティーンが一本釣りに選びます。つまり実力能力以外のつまらない政治的な束縛がないのです。結果的に実に優秀な軍人、戦術家が集まります。

これに満足したシディアスは、またCISの幹部をわざと逃し、大量破壊兵器を効果的に分散、隠蔽、輸送、元老院が双方に融資する癒着、兵器産業の発展を通して、さらに長期化させます。結果として表上、指揮権のあるジェダイ評議会は世間の批判にさらされます。一方ターキン達、軍事顧問委員は存在意義を奨励され、さらに膨れ上がります。

パルパティーンは軍事顧問委員を共和国軍の指揮系統の中枢にするべく、シスの教えを用います。内部で敵対する者同士を戦わせ、決着のつかないように手配、組織に貢献する意見を常に発案させる教えです。目の前のライバルを蹴落とす為にどう組織に貢献すべきか必死に考えさせます。同じ力量の二人を同じ土俵で戦わせる、こうした人事構造は ”力のある者に適した権限を与える” 帝国の礎になります。その上位者がターキン含めモフの称号を与えられます。

このパルパティーン直轄の組織が成熟すると、シディアスはクローン戦争終結をジェダイを使って簡単に実現します。そして、ジェダイの粛清を行った後、無能な将校、軍人を一掃します。元老院と違い、国民投票で選ばれたわけじゃないので皇帝が独断で人事権を行使できるのです。

モフの助言は皇帝を満足させます。それを維持するために腹心のヴェイダーが監視します。