パルパティーンは共和国の危機が到来したら、議会で必ず非常時大権を成立させる願望がありました。そのために１０年間議長をしているようでした。ジェダイ評議会と腐敗する民主主義国家について悩み続けた結果、権力の集権化が共和国に必要という結論を下します。しかし、パルパティーンはそれが具体的に非常時大権だとは誰にも告げませんでした。手の内を明かさなかったのです。それを実現させるためには議会の全一致による賛成が不可欠です。共和国が武力攻撃下に侵された場合、国民の安全を保障するには反対意見に妨害されるのは時間はありませんから。
シディアスは議会でパルパティーンに本当に忠実な議員を固めるためにティラナスに働きかけます。ドゥークー伯爵は内密に元老院に議席を持つ議員に接触して、
共和国の実態にどう不満足か相談します。元ジェダイとはいえ、ドゥークーを信頼していいのか不安視する議員も大勢いましたが再び貿易の関税率を撤廃するなど、資本を最高の投資に変えてくれる約束で安心します。
パルパティーンに対する忠誠とドゥークー伯爵の誘惑に悩み続けた結果、せっかくの議席を放棄する議員が増えていきます。次第にCISとして組織化され、その多くはアウターリムの辺境の星でした。パルパティーンはこの情勢に嘆きました。愛する千年続いた民主主義国家がこれから二つに分かれるのは阻止したいからです。
シディアスはティラナスから元老院の権力構造の問題点を挙げさせて、パルパティーンとして議会の再編に尽力します。具体的には議席の空白が生じたら、別の候補者に議席を与えるルールを使ったのです。その候補者は前任者から議席を奪いたいわけですから、ドゥークー伯爵の誘惑に負けない、伯爵に不信を抱く者でじわじわと固められていきます。これは確実にパルパティーンの支持者が元老院を構成することを意味します。そして「この代表が離脱してしまった」とジェダイ評議会に相談して「問題ない」と言われれば、本当に正しいと確認できます。
基本的にドゥークーの誘惑に負けるのは、民間企業の重役や役員など資金が潤沢な議員が多いです。対照的に議席を持ち続けるか、新たに議席を得る議員はパルパティーンを信頼して、将来的には議会の権限を集約するのを望む人たちです。後者はあまり金に貪欲ではありません。
シディアス卿はドゥークーという便利なコマを使うことでクローン戦争開戦前から中央集権型に発展しやすい議会構成の実現を成し遂げたのです。
しかし、問題点がありました。パドメです。彼女はパルパティーンと同じ惑星出身として議長を信頼していましたが、シディアスにとって中央集権の邪魔です。もう一つは任期満了の時期です。議会構成の転換を実現できても議長を辞任してしまえば元も子もないです。
そこでCISが武力を隠し持っていることを議題として懸念させて、任期を延長させます。パドメアミダラを通商連合の総督が始末したいことをティラナス卿から聞き、爆破事件で対処させます。
その後はシディアスのプラン通り、ジェダイにクローン軍とドロイド軍の存在を公にさせて、初めて非常時大権の発動を具体的に発議させます。
思惑通り、全権一致で可決成立します。合法的な強行採決と言えます。