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キャシアン・アンドー S2 第四週 感想(ネタバレ注意)

⚪︎アクシスの特定 デドラミーロはアクシス担当から外れていたが、遂にルーセン・レイエルに辿り着く。ISB近くの骨董品店にアクシスが潜伏していた事実に驚愕します。 中央集権に動く帝国は、反乱分子の散発的な統制に頭を焼いており、縦割り構造の欠陥が露呈していた。不可能であると思われたアクシス特定は、内部で驚かれた。 デドラミーロはこれまで帝国の規律や手順に違反していたが、遂に一線を越える。 デススターに関する機密に違法アクセスしてしまう。極秘事項であり、デドラミーロの権限を逸脱しています。縦割りを無視、「一人で」横断的に考えた末の特定でした。 デススターに関する機密、ジェダのパルチザンが骨董品店主と会っていた記録が決定的になったのです。 帝国はスターダストに関する情報を機密にしていたので、それに伴うアクシスに関する情報も機密にしてしまっていた。だからISBはアクシスを特定できなかったのです。 ⚪︎アクシス特定を評価しないクレニック 機密にしていたクレニックは憤慨する。 「一人」でルーセン・レイエルを捜索したミーロを叱責する。 帝国の規律や手順に違反してまで、スターダストを知りたかったのか。 デドラミーロ以外に、スターダスト計画に関する機密「デススター」を知った者がいないか追及する。 同時にデドラは、ゴーマンの虐殺の実行役であります。 見方を変えれば、これまでデススター機密のせいで、アクシスを特定できなかったのです。もしくは、アクシスがデススター機密に含まれなければ、ミーロはもっと早くルーセンに辿り着いていただろう。 長年、デドラミーロが警告していたアクシスの脅威は確かであり、反乱同盟の前兆でありました。アクシスを早い段階で叩ければ、帝国はその後、反乱分子に悩まされることはなかったのです。 中央集権体制の弊害、縦割りの弊害など、帝国の欠陥が露呈している。 しかしデススターに関する機密事項の違法なアクセスにより、クレニックはデドラミーロの違反行為と捉える。機密漏洩を恐れている。 アクシスを特定できた筈なのに、スターダストを知ってしまった事で、仇になる。 機密の仕方は難しい。 ⚪︎スターダストを知ったルーセン ISB内部のスパイによりルーセンは真相を知った。 アクシス捜査網が狭まる中、スパイを口封じして証拠隠滅を図る。 ルーセンは、反乱ネットワークを守れた。他の諜報員を救ったの...

ブラッドライン感想

いやあ、面白かった!角川文庫から出版された政治サスペンスの作品です。もちろんカノン。
買った時は意外と薄いなぁと感じましたが、上下巻とも300ページ近くあり、最近読んだファズマと文章量はあまり変わりません。ページ紙の厚さでしょうね。
読む前はモンモスマが主役でレイアが右腕として活躍するのかとぼんやり予想していました。帝国崩壊後の新共和国の知識が少ないのでイメージが掴みにくかったんです。プリクエルや銀河大戦時の頃よりも、ジェダイの帰還からフォースの覚醒までのカノンについては
勉強不足でした。
新共和国の元老院についてやレジスタンス、ファーストオーダーの誕生の
背景についてです。
そこでこのブラッドラインは最適かつ一番有益な作品です。

モンモスマが議長を務め終えた後、元老院はまた堕落してしまいます。残念ですが、パルパティーンの強権政治が押さえつけ過ぎた代償かもしれませんね。仕方ない。新共和国の国益について高潔な議論をするのではなく、セントリスト党、ポピュリスト党の派閥争いで私腹を肥やす議会の実態が露呈しています。それを変えるなんて容易くできない。
政治って難しいですね。
ポピュリスト党のレイアはセントリスト党のランサムカスタルフォ議員と共に犯罪カルテルの実態を調査していくわけですが、若いカスタルフォはレイアに失礼なことを言ったりして、あまり良好な滑り出しではなかったですが、段々と打ち解けていきます。
レイアは自分の出生について秘密を持っているわけですが、もちろん誰にも言っていません。知っているのはルークとハンソロぐらいです。そのまま死ぬまで封印出来ているつもりでも証拠があったんです。レイアの政敵はレイアを失脚させるためにそれを利用します。レイアの父親はダースヴェイダーだと。それを知ったレイアとカスタルフォの運命は?レイアの政治生命は?

展開が早く、つくりが巧妙な人間関係、あらすじは読んでいてかなり面白いです。これはカノン構築の成果ですよ。誰もが既存の知識としてレイアとルークはヴェイダーの子供って知っている訳ですが、その過程を掘り下げて、銀河の世間は元老院議員レイアオーガナの親を知っているか?
オーガナの物的証拠もオルデラン破壊と共に本当に消えたか?レイアは周りに嘘をついていたことをどう思っていたか?ダースヴェイダー=アナキンだと世間はどう知るか?レイアは兄がルークだとエンドアで知った時の気持ちは?ダースヴェイダーは娘のレイアを尋問してしまった事を後悔しているか?ダースヴェイダーの血筋が残っている事を世間はどう捉えるか?
などの要素を最大限考慮した作品です。
なんとローグワンのデススター計画や小説ファズマのブレンドル・ハックス将軍について仄めかす内容もあります!

レジェンズ作品ではかなり昔の時点でレイアの父が世間で明らかになる内容を作品化していますが、そのカノン構築で”足かせ”な点を再構成されています。
文章が複雑でも読みやすく、さすがベテランの富永氏の翻訳だなぁと感激しました。

そしてあとがきには来年4月にダースプレイガスの出版に向け翻訳中だと記されています!
とても楽しみですね!

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