通商連合に議席を与えた主犯（小説「ジェダイの光」のネタバレではない）

ハイリパブリックとされる共和国絶世期は、巨大な民主国家として繁栄していました。税収は巨額で安定、公共の充実に莫大な予算が投じられ、大事業が行われました。経済が右肩上がりで成長していたので、元老院は政策を打ちやすかったのです。

しかしその状況がいつまでも続く筈がありません。やがて成長は鈍化します。税収は減少していき、浪費されなくなります。共和国が永遠に成長、繁栄するのは錯覚だったのです。暴落したら、銀河中大混乱に陥ります。これをジェダイは懸念していました。

早急に対策を講じ、暴落を阻止しなくてはなりません。即ち引き続き安定した税収を元老院にもたらす必要があるのです。そこで通商連合と銀行グループに元老院の議席を与える事を提案します。銀河の市場経済を活性化させ、国益に貢献する筈のこの提案は支持されました。

しかし通商連合は、自分達の都合の良い法案を成立させる為に、多くの議員に賄賂を流します。その賄賂が別の賄賂に流れ、一気に広まり、汚職の温床になります。やがて通商連合のコネクションは絶大になり、支持基盤は強まります。

共和国の国益の為に議席を与えた筈が、結果的に汚職が浸透する羽目になってしまいました。しかし通商連合が摘発される事はありません。共和国は貴重な税収源を失いたくないからです。

そもそも議席を与える事を提案させたのは誰でしょう？企業に議席を与える発想をしたのは誰でしょう？ダマスクホールディングのマジスターダマスクが挙げられます。共和国の暴落を懸念していたジェダイはダマスクに相談していたと思われます。マジスターダマスクは経済面において有能な相談役です。彼はこれからも市場経済を潤すには、企業に議席を与え、惑星や星系と同等の権限を与えるべき持論を言います。安定した巨額な税収が共和国にもたらされ、民主国家はさらに発展するだろうとジェダイをそそのかします。ジェダイはこれに賛同します。

これはシスの計画において、一つの準備段階でした。プレイガスはジェダイを説得して、元老院に汚職を蔓延させていく事を画策していたのです。ジェダイを説得するだけの行動で最大の効果を発揮しました。元老院に汚い金を流し、法案の決議を妨害、国益の追求を阻止する。簡単な法案の成立も行き詰まり、元老院は機能不全に陥ります。ジェダイはこのような結果になるとは思ってなかったようです。プレイガスに騙されたのです。

通商連合は国益より企業としての利益を追求していただけです。決して民主主義の繁栄とか国家の理念なんてどうでもよかったのです。元老院を通商連合の都合のいい組織に作り変えたかった。これは非常に上手くいきます。

後々、後悔したジェダイは、どう収拾をつけるべきかマジスターダマスクに尋ねます。彼はこのような結果は想定外だとしつつ、助言します。「通商連合が支払う税率を上げればいい、更に共和国は発展します」「共和国の経済が暴落する程のダメージではない」