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注目

カイロレンのファーストオーダー統合化

スノークの死後、最高指導者に即位したカイロレンは指揮系統を再編します。 銀河全域における侵攻作戦は事実上、成功しましたが、今後長期的に体制を維持する必要があります。体制維持は侵攻作戦より莫大なコストが必要です。 しかしファーストオーダーは莫大なコストを有していませんでした。 元々、効率的な特殊作戦を目的とした低コストの軍事組織であり、帝国のような国家運営を想定していないのです。 各地で疲弊していく現状を把握したカイロレンは、全てのファーストオーダーを統合化していきます。実はカイロレンはファーストオーダーの真の実態を、スノークほど理解していなかった。 ファーストオーダーは帝国と構造が違い複雑です。 分散化した効率的な非中央集権体制などわからない。 すなわち弱い兵力で銀河を効率的に支配する事を迫られます。 統合化していく中、兵力物資の少なさに愕然とします。今後長期的な体制維持など無理だ。 スノークを葬る事でシステムを破綻させた事を後悔します。 かつての帝国を再現して、中央に君臨する皇帝にはなれない。プライド元帥は見抜いていた。 カイロレンはさらなる統合化を目指し、エクセゴルに誘われます。 シス・エターナルにとってはファイナルオーダーに移行する絶好の機会です。ファーストオーダーを救済しながら、主導権を奪う魂胆だ。 エクセゴルの艦隊を餌に、カイロレンを手玉に取る皇帝。 ファーストオーダーの疲弊はおいしい状況だった。体制維持を保障してやるのだ。 しかし物量で保障するのではない。多数の惑星破壊兵器を銀河全域の急所に展開させて、恐怖を最大化する。これにカイロレンは驚愕した。スターキラーより惑星破壊のハードルを大幅に低下させたのだ。 “銀河全域の星を少なくして効率化する” “少数の僕による完璧な銀河の統治” “惑星破壊の権限を1人で独占しない”

J・ルシーノ氏とカノン

周知の通り、カノン体制が発足して5年以上が経過しました。スターウォーズというプラットフォームを構築する上で、数多くの作品の設定が矛盾なく統合されています。かつては作品ごと、作家やクリエイターによって勝手に設定が展開、全体的に統合されない事態になっていました。フィローニ監督はこれを教訓にしたと言えます。


第一弾、劇場版クローンウォーズを公開しました。この”正当な公式”の作品により、ルーカスフィルムがSW関連作品を統括、集約する事になります。”正当な公式”の権限を強化したのです。これまで多くの作家やクリエイターが考案した設定やストーリーをルーカスフィルムが再構築します。公式に採用される基準を設ける事により、作品を創作する上で一定の目安になります。

第二弾、ルーカスフィルム・ストーリーグループを立ち上げます。この少数精鋭の人々が独占的に主導する事になります。彼ら主導の下、クローンウォーズをアニメシリーズとして長期的に公開していきました。長期的に続く事により、採用基準がより明確になります。ストーリーグループは少数精鋭ですから、大人数で分散して進めるより、格段に効率よく統合され、全体的に洗練されます。カノンの始まりです。

第三弾、フォースの覚醒の公開により、実写の劇場版制作を本格化していきます。クローンウォーズによりストーリーグループの機能が実証され、更に権限を強化させます。実写の劇場版が強力な骨組みとして製作され、そこから矛盾なく派生作品が展開されます。フィローニ監督の思惑通り、”正当な公式”になったのです。 

ローグワンの公開により、複雑極めたデススター開発史すなわちプリクエルとオリジナルの間に大胆にメスを入れました。権限を握るストーリーグループ主導の下、全体的、包括的な作業が可能になりました。全ての作品により、設定とストーリーが統一され、洗練されます。完成度が高く明快になります。

第四弾、ディズニープラス配信を開始します。

プラットフォームとしての成熟度が高くなるにつれ、容易に実写作品を配信していきます。ファンなら誰もが望む映像の数々(サルラックの中のボバフェット等)を実際に制作する事で、プラットフォーム全体の細かな要素を補完、完成度を更に高めます。




このような経緯を考慮すると、ルシーノ氏の作品は残念ながらカノンの基準に見合いませんでした。

彼はレジェンズの作品において、複数の作品を統括する試みは持っていました。しかしルーカスフィルムの外の作家ですから、”正当な公式”の権限は行使できません。

ルシーノ氏の作品は、緻密なストーリーで読者を大変満足させていましたが、ルーカスフィルムが打ち出したプラットフォームの構築において不都合な側面があったのでしょう。

ローグワン公開時にルシーノ氏は「カタリスト」を執筆しましたが、以前のルシーノ作品とは違い独創性に欠けていました。執筆段階からストーリーグループの横槍が入る体制に我慢できなかったと思われます。

ルシーノ氏の復帰を望みたいですが、カノンがプラットフォームとして続く以上、我慢しなくてはいけないのかもしれません。



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