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注目

デススターの運用コストの高さは異常

  ⚪︎第一、第二デススター 帝国絶世期、デススターは大規模な国家プロジェクトでした。 莫大な資源と労力を投入して皇帝の夢を実現します。 惑星破壊の概念は、恐怖で鎮圧して統治するドクトリンと合致しており、中央集権の独裁体制には好都合でした。 建造に莫大なコストが負担になりますが、完成後も莫大なコストが負担になります。運用コストです。 惑星破壊に要するコスト以外に、搭乗する人員の食料や廃棄物の処理など、どうしても欠かせない。他に設備のメンテナンスから管理に至るまで大変です。地上から完全独立している訳ではなかったのです。 デススターはハイパードライブを装備していましたが、あれだけの巨体を移動させるだけで、莫大な運用コストが必要。 設計上は完璧に機能している筈なのに、実際に使うと問題が露呈します。 ⚪︎スターキラー デススターを教訓に、ファーストオーダーは低コストの惑星破壊兵器を立案します。皇帝亡き後、スノークは効率的な兵器を望んでいた。 使い捨てでもいいんです。ファーストオーダーは画期的なアイデアを採用します。惑星そのもの(イラム)を兵器に転用する。 おそらくサイズミックチャージとかで地上を掘削、惑星のコアを動力源に利用する。一からデススターを建造するよりハードルが低い。 低コストだからレジスタンスに破壊されても、大した損失ではなりません。 最初から破壊される事を前提にしています。スターキラーは使い捨て。 惑星だから、運用コストは生じない。発想の転換。 ⚪︎ジストン級スターデストロイヤー シス・エターナルは、さらに画期的で非凡なシスの発想をします。 受け継がれたライトセーバーの技術すなわちカイバークリスタルの制御ノウハウを、そのまま惑星破壊兵器に応用したと思われる。 惑星破壊の機能の簡素化、簡略化を成功させ、惑星破壊以外も兼ねる精密な攻撃も可能です。ハードルを劇的に低下させた。人員は少なく、昔からのスターデストロイヤーの設計を踏襲できます。 原理は単純だ。カイバークリスタルが収束する太い光刀を永遠に長くして、惑星のコアを突き刺す。ライトセーバーみたいに光刀を制御、調整すれば、惑星のコアを誘爆できる。 運用コストを劇的に低下しただけでなく、使い捨てでない。 何隻も建造できてしまいます。銀河全域の急所に展開するのです。 惑星破壊の権限を独占せずに広める。 もしゲイレ...

J・ルシーノ氏とカノン

周知の通り、カノン体制が発足して5年以上が経過しました。スターウォーズというプラットフォームを構築する上で、数多くの作品の設定が矛盾なく統合されています。かつては作品ごと、作家やクリエイターによって勝手に設定が展開、全体的に統合されない事態になっていました。フィローニ監督はこれを教訓にしたと言えます。


第一弾、劇場版クローンウォーズを公開しました。この”正当な公式”の作品により、ルーカスフィルムがSW関連作品を統括、集約する事になります。”正当な公式”の権限を強化したのです。これまで多くの作家やクリエイターが考案した設定やストーリーをルーカスフィルムが再構築します。公式に採用される基準を設ける事により、作品を創作する上で一定の目安になります。

第二弾、ルーカスフィルム・ストーリーグループを立ち上げます。この少数精鋭の人々が独占的に主導する事になります。彼ら主導の下、クローンウォーズをアニメシリーズとして長期的に公開していきました。長期的に続く事により、採用基準がより明確になります。ストーリーグループは少数精鋭ですから、大人数で分散して進めるより、格段に効率よく統合され、全体的に洗練されます。カノンの始まりです。

第三弾、フォースの覚醒の公開により、実写の劇場版制作を本格化していきます。クローンウォーズによりストーリーグループの機能が実証され、更に権限を強化させます。実写の劇場版が強力な骨組みとして製作され、そこから矛盾なく派生作品が展開されます。フィローニ監督の思惑通り、”正当な公式”になったのです。 

ローグワンの公開により、複雑極めたデススター開発史すなわちプリクエルとオリジナルの間に大胆にメスを入れました。権限を握るストーリーグループ主導の下、全体的、包括的な作業が可能になりました。全ての作品により、設定とストーリーが統一され、洗練されます。完成度が高く明快になります。

第四弾、ディズニープラス配信を開始します。

プラットフォームとしての成熟度が高くなるにつれ、容易に実写作品を配信していきます。ファンなら誰もが望む映像の数々(サルラックの中のボバフェット等)を実際に制作する事で、プラットフォーム全体の細かな要素を補完、完成度を更に高めます。




このような経緯を考慮すると、ルシーノ氏の作品は残念ながらカノンの基準に見合いませんでした。

彼はレジェンズの作品において、複数の作品を統括する試みは持っていました。しかしルーカスフィルムの外の作家ですから、”正当な公式”の権限は行使できません。

ルシーノ氏の作品は、緻密なストーリーで読者を大変満足させていましたが、ルーカスフィルムが打ち出したプラットフォームの構築において不都合な側面があったのでしょう。

ローグワン公開時にルシーノ氏は「カタリスト」を執筆しましたが、以前のルシーノ作品とは違い独創性に欠けていました。執筆段階からストーリーグループの横槍が入る体制に我慢できなかったと思われます。

ルシーノ氏の復帰を望みたいですが、カノンがプラットフォームとして続く以上、我慢しなくてはいけないのかもしれません。



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