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キャシアン・アンドー 第十話 感想(ネタバレ注意)
「早急にデドラミーロの排除を」
ISB内部において、ミーロはブレヴィンに代わりフェリックス宙域の担当になってしまった。これは阻止すべきだったが、怪しまれたくない。
パルタガズがブレヴィンを解任しなければ、反乱に対する脅威にはならなかったのに。保身を優先する帝国士官こそ好都合だった。
これまでのミーロのやり方は、帝国の模範に違反している。縦割りを無視して、反乱の組織的犯行を実証、アクシスの実態を解明しつつある。明らかにこれまでの帝国士官とは違う。手順や規則に縛られず強引だ。困ったことに、上司のパルタガズはミーロを信頼している。
これ以上黙認していては、ルーセン包囲網が狭まるばかりだ。
これ以上時間を与えていては、ミーロは真相に辿り着くだろう。
今後もしミーロに更なる権限が与えられたり、他の機密や諜報ネットワークにアクセスされたら、ルーセンの行ってきた工作活動が芋づる式に暴かれ、ネットワークは壊滅するだろう。もう一人のターゲット、キャシアンアンドーにも行き着く。帝国の潜在的脅威である以上消される。優秀な工作員候補を失ってしまう。
幸いにもをルーセンに警告できる。
ISB内部の情報を流せる訳だ。現時点でミーロを排除する事が困難でも、ミーロの出方をルーセンに知らせる事で、事前に対処できる。これが機能する以上、ルーセンは包囲網を掻い潜れる。
帝国士官(この場合ISB内部)を反乱工作員に仕立てるやり方。
帝国士官の中には金や反乱の大義に共感、理解する者は確実にいる。
彼らの貴重な情報は、反乱の工作活動を容易にする。人間を使う潜入工作は、盗聴やドロイドを仕掛けるより遥かに怪しまれない。帝国の益になる情報を意図的に与える事で、帝国内部での階級が上がる。階級が高い程、精度の高い情報を提供してくれる。
しかし絶対に帝国が欺かれていると気付かれてはならない。表向き帝国を勝たせ、安心させておけ。傲慢な程、反乱の工作活動には気付かない。
せっかく空いている帝国の欠陥を塞いではならない。
成功した工作活動は、静かな勝利なのだ。
帝国の欠陥を克服されてはならない。