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ファイナルオーダー失敗の本質
シスエターナルが実行させたファーストオーダー計画の侵攻作戦は、強かで入念な準備により、事実上成功しました。帝国の復活はありえないとされていた銀河全域に軍を侵攻させ、新共和国の不意を突いたのです。
しかし、侵攻作戦には成功したもの、その後の体制維持は容易ではありません。後方支援や兵站補給など莫大な資源が必要な筈ですが、実は無かったのです。銀河全域を怒らせ、リスクのある軍事作戦を強行しても、その後の銀河統治については準備不足だった。侵攻作戦を成功させる事に必死でも、その後のプランが欠如していました。
そんなファーストオーダーにとって、シスエターナルの援軍ファイナル・オーダーは喉から手が出るほど欲しがっていた。ジストン級スターデストロイヤーを銀河全域の急所に展開させて、惑星破壊の火力で射程に収める。疲弊したファーストオーダーを援護するだけでなく、その後の銀河統治、体制維持を確かにする上で重要です。
しかし失敗した。ファーストオーダー内のスパイ、ハックス将軍の情報漏洩が指摘されやすいですが、個人的にファーストオーダー計画の構造的欠陥、弱点が綺麗に露呈した為だと思います。
ファーストオーダー計画は、軍縮と銀河停戦の最中に考案、実行されました。水面下で行われ、低コストで徹底した効率化に基づきます。帝国の反省に基づき、軍事戦略自体を主体に置き、権力闘争を極力省き、独裁の国家運営に要するコストを大幅に削減しました。
少ない兵力をいかに効果的に運用するか徹底していたのです。
帝国絶世期を経験した銀河市民は、ファーストオーダーの軍備や規模が小規模である事に気付かなかったので、再び恐怖で抑え込まれます。効率的に支配されてしまったのです。
しかしファイナル・オーダーは来なかったので、ファーストオーダーは危機的状況に置かれます。疲弊は増し、士気も低下していきます。少ない兵力を効率的に効果的に運用していたのが、全部裏目に出ます。敵が少ない兵力でも本気で反撃してきたら、容易に負けてしまいます。体制維持には向かないのです。銀河市民を恐怖で抑え込んだつもりでも、実際の兵力が弱いことがバレたら、反乱活動の好機になります。効率化の徹底や効率化の追求は、結果的に脆弱化の温床になりました。
強硬な侵攻作戦で銀河を怒らせたツケとも言えます。この時、銀河を怒らせたリスクをファーストオーダーの若手は初めて理解します。
これはシスエターナルが思い描く最悪のシナリオです。
ファーストオーダーは水面下で準備していた計画であったので、ファーストオーダー全体の兵力の実情はトップシークレットの筈でした。
スノーク亡き後、カイロレンがファーストオーダーを統合していく過程で、内部から兵力の弱さが共有されていったのです。
スノークは内部の人員にさえも実際の兵力の規模を隠す為に、周到に分散統治を行っていたのです。
スノークにファーストオーダーを統制させる際、若手の人員は騙し易かった。しかし帝国にいた経験豊富な軍人は、体制維持の難しさを理解しています。彼らなら銀河全域への侵攻なんて、リスクのある作戦には消極的でしょう。だからスノークは、ファーストオーダーを若い人材で構成していたのです。