注目
デススター破壊による機密解除の恩恵
帝国の大プロジェクト、スターダスト計画は水面下で行われた。
広範囲に渡る大勢の人材と銀河全域の資源を投入、皇帝の夢「星を丸ごと破壊する究極の兵器」を実現する為です。
表に漏洩させずに反乱側に悟らせない為には、帝国内部でもスターダスト計画について、機密指定する必要が生じます。これほど当方もない規模のプロジェクトを成功させ、デススター完成まで表に漏洩させないのは、非常に難しい。ターキンは分かっていました。
皇帝以外は、計画の全容を把握する人間はおらず、もしスターダストに関わる人材が反乱側の手に落ちても実態を伏せられます。皇帝の進めるエネルギー計画とか表向きに誤魔化します。
スターダスト計画は大規模ですから、当然機密の数は膨大になります。
すると、それに伴いスターダスト以外の情報も機密にしてしまいます。
アクシスの関する情報などです。
ターキンと違い、スローン大提督はスターダスト計画を知りませんでした。
スローンがデススターについて察知できなければ、漏洩していない事を意味します。
スローン大提督は機密のせいで、ISBの追っていたアクシスすなわち反乱の前兆に気付けなかったのです。
スローン大提督はデススターの完成後にスターダスト計画を把握します。
帝国の払った莫大なコストに衝撃を受け、スローンの考える効率的な銀河統治のドクトリンとは相反します。ターキンの功績を軽蔑していたのです。
結局、デススターはプロトン魚雷一発で破壊され、帝国に莫大な損失をもたらした。
スローンはデススターを失った事以上に、帝国内部での機密の在り方が許せなかった。スターダスト計画が漏洩した以上に、アクシスに関するISBの警告にもっと早く気付きたかった。
当時の帝国は無限に資源を浪費できるような不効率なシステムでしたが、機密の扱いなど、情報インテリジェンスにおいても不効率だったのです。
おそらく機密指定の期間が長引いてしまったのがまずかった。
クレニック長官は長期間に渡りスターダスト計画を実行していたので、機密情報が何重にもこべりついていく。解除すべき機密もなかなか解除されない。
(皇帝の忍耐がかえって仇になる)
つまりスターダスト計画は、帝国のインテリジェンスにおける弊害と化してしまっていた。皇帝の夢を実現する筈が、反乱の前兆を見過ごす代償を払う事になる。
デススターの破壊後、多くの機密情報が帝国内部で開示され、インテリジェンス能力に多大な恩恵をもたらします。アクシス以外にも、有益な情報を機密から解放、分析できるのです。
スローンの分析に恩恵をもたらす。
こういった現象はスローン大提督がファーストオーダーを考案する上で、大変役立ったとされる。軍事行動、作戦、プロジェクト、全てにおいて低コストにできれば、機密の指定から解除に至るまで、時間の短縮と機密の規模縮小になります。スターダスト計画の規模が大規模過ぎたのが失敗の原因だ。
強いて言えば、いずれテクノロジーの進化で低コストに惑星を破壊できればいい。