諸事情により遅くなりましたが、カタリスト上下巻読了しました。
小説ダースプレイガスの出版をヴィレッジブックスさんに懇願していたところ、ローグワン関連のカノン小説として、J・ルシーノ氏のカタリストの出版を実現してくれました!
ルシーノ氏をご存知の方は多いと思いますが、スターウォーズの権威であり、ニューヨークタイムズのベストセラー作家です。10年前のシスの復讐公開時には「悪の迷宮」「暗黒卿ダースヴェイダー」の著者としてクローン戦争の謎解き、整理を手助けしてくれました。全世界のスターウォーズファンに感謝、尊敬されています。
実際に文脈は難解ながら美しい。キャラクター同士の会話は意味深く、時代背景、ロケーション、メカ、食
文化など読んでいて感慨深いです。映画本編で解らなかった設定がセリフなどで詳細に描かれています。
私のブログはルシーノ氏の作品にかなり影響されています。例えばクローン戦争はいかにして民主主義の衰退を招いたかなど、ヒントを数多くいただきました。ありがとうございます。
読んだ印象としてターキンほど難解な文体ではありませんでした。デススター計画の実態を新しいカノン設定で構築されたことが伺えます。クローンウォーズのネタも満載ですよ!
”デススター”のコードネームは作品にはありません。帝国の権威を皇帝にお渡しする前の様々な人間ドラマが赤裸々に綴られています。中心人物はオーソンクレニックです。ローグワンでは正直力不足な印象を抱きましたが、デススター建造を監督するだけの技量があることをこの作品で証明されています。その古い友人で協力に誘ったのがゲイレンアーソとライラです。
三人ともフューチャーズプログラムで育った同級生です。その三角関係が読みどころです。
「なんだ、クレニックいい奴じゃん」って純粋に感じましたが、ゲイレンの才能を兵器開発に従事させるために、妻ライラを利用して従わせるところに悪意を感じます。
クレニックとゲイレンアーソの性格や人格は180度違いますが、互いに惹かれるところがあったようで何かの縁だなぁと感じます。
皇帝陛下のためにエネルギー変換技術を研究するゲイレンアーソは戦時中のアインシュタインに似ています。本当にテクノロジーの兵器転換は怖いですね。
カイバークリスタルから最大限にエネルギーを発生させるにはどうしたらいいか、微分方程式で考え抜きます。もちろんジェダイの残した文献もアクセスしてましたが、ライトセーバー製作法は肝心な部分が残されていなく、ジェダイは技術の盗用に警戒していたようです。
それより、ライラとの夫婦関係がメインです。夫婦の一番の理解者がクレニックです。クレニックなしでは夫婦になっていたか?
幼きジンアーソは大切に育てられ、クレニックは”ジン”と呼んでました!ということはジンは覚えていたのですかね。「知ってるはず、私はジンアーソ。(ローグワン)」
兵器開発のために帝国に利用されたと気づいたゲイレンアーソの行動とは? 逃げることです。
そしてローグワンの冒頭に繋がります。
ああ、皇帝が登場しないのは許せるけど、ヴェイダーに登場して欲しかった。